シングルス / ストローク戦 / セオリー / やってはいけない配球

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シングルスにおけるベースライン同士の場合のプレースメントの復習

上図は、シングルスのベースライン同士のラリーのときのポジションによる基本的なプレースメントです。

「基本的なプレースメント」とは、状況別にどこにボールを打てばベターかということです。

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たとえば、余裕がなければ(defensive)、センター返球し相手が角度を付けられないボールを打ちます。しっかりボールに追いつけたら(neutral)、クロスに「つなぐ」というセオリーがあります。

そこで、図の左側ピンクの位置でプレーしているプレーヤーは、「つなぐ」ポジションからはクロスに返球するのが基本です。または、相手がバックが苦手な場合はストレートでも構いませんが、相手の強いボールや低く滑ってくるボールを無理やりストレートに打つのはおすすめしません。

よくあるケース

下図では、相手を少し崩せるかもしれないと考えストレートに打ちました。
返球後は、ボールの位置に対してややクロス寄りが正しいポジションになりますから、ピンクのプレーヤーの次のポイション取りは赤い位置になります。これはクロスに打つ場合よりおよそ1mほど遠いポジションです。相手が打つまでに移動します。このときストレートが甘くなってしまうと到達時間(相手のところに届く時間)はクロスに返球した場合より短くなります。

ストレートが少し甘くなった場合、右の紫プレーヤーはコートのベースラインより中に踏み込んでより鋭角にクロスを打ちます。

これが試合では、誰もが避けたい即死に近いケースです。

紫色プレーヤーからするとネットの低い所を通して、飛んできたコースに対して引っ張る方向にラケットを振るので、攻めのボールとしては難易度が低いです。

ピンクプレーヤーは、どんどん遠ざかっていくボールに対して走っていかなければならないので、20:80ほど不利になります。

これが「やってはいけない配球」です。

観戦のポイント

プロの試合で何度も続くクロスの打ち合いを見ることがあると思います。画面上ではストレートが空いているようにも見えます。それでもなかなかストレートを打たないのは打てる状態になるまでボールを慎重に選んでいるからです。

 また、クロスに強打することで、コースを変えにくくさせる必要があります。プロは最低二通りコースを変える方法をもっていますから、相手がコースを変えるリスクを高める必要があります。

選手の性格や戦術にもよりますが、リスクを犯してすぐストレートに打つ選手と慎重にボールを選ぶ選手がいます。

前者は集中力も体力も多く使いますから、短命な選手が多い傾向だと思います。しかし、大物食いという魅力もあります。

coaching

 その時々の世界チャンピョンがやっていることが最新の技術であるように教えるコーチがいます。しかし、そのときの流行りに流されず、どんなプレーにもメリット・デメリットがあることを理解してから指導しましょう。

 以前、リオスという世界チャンピョンがいました。この選手は、すぐにコースを変えたり、カウンターを繰り出します。この当時、テニス雑誌やコーチの中には「これからはどんどんオープンコートに打つのがセオリーになる」といっている人たちがいました。その時々の目立つ選手を取り上げると瞬間的に説得力があります。しかし、どこで誰に教えるかにもよりますが、テニスの基本の中で、最新の内容に更新されたものは2割程度しかありません。なぜなら、テニスコートの大きさもネットの高さもボールの反発力も変わっていないからです。もちろん変更しなければいけない点もあります。たとえば、ラケットの剛性が飛躍的に高くなったことや、USオープンを目指す場合にはハードコートの球足が遅くなったことは考慮しなくてはならず、基本や戦術、戦略に影響します。ところで、あなたが指導する人は、どのコートが主戦場か聞いてから指導していますか?それによって指導内容が多少変わります。

それと、プロの選手は10年くらいで引退しますが、 小学生ジュニアや一般人は、その後10年以上プレーします。その間、世界チャンピョンも2〜3人は入れ替わるのが通常です。その度にプレースタイルを変えるわけには行きません。先程例に上げたリオスはあっという間にいなくなりました。

一般の方の試合であれば、ゆっくりでもクロスに返しておけばノータッチエースを食らうことは、ほとんどありません。

一般の試合では、フォアハンド、バックハンドのどちらかが壊滅的にミスが多いというケースがよくあります。クロスからストレート、ストレートからクロスというコースを変える練習をよく行い対戦相手によって配球を変えられるようにしておきましょう。これによりどんなタイプの選手と対戦しても対応できる対戦ムラのないプレースタイルになっていきます。

実績のあるメソッド

その時々の流行りに流されず、理にかなったことを教えるほうがよいと考えていました。

また、上記のような基本戦略と相手を攻略するための戦術の両方を2Way方式として教えていました。

コーチによっては、自分のテニスを出すことができれば勝つという指導の方もいます。

わたしの考えでは、テニスが対戦ゲームである以上、自分のテニスを出すことと、相手にテニスをさせないことの両方が必要だと思います。それに対戦ゲームの方が楽しいからです。

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