スウィートスポット(スウィートエリア)とは
スウィートスポットとは、インパクト時にラケットの反発性能の一番高いところを指します。基本的には上記画像の赤いエリアのようにラケット面の中心になります。正確には、スウィートスポットとスウィートエリアは、点と面の関係です。ここでは、どちらもラケットの反発性能が発揮できるところという意味であまり厳密に区別せずにで話を進めます。
補足
最近のラケットは、この図より少し上にスウィートスポットあるということをいう方もいますが、その説は、ラケットをしっかり振ることができた場合のみを想定していると思われます。その場合、ラケットの中心より上側には遠心力が強く働くので、スピンがかかりやすく、かつボールもよく弾くエリアがあります。しかし、テニスの実際のラリーでは、下の図のようにやっと手をのばしてミートするのが精一杯という場合や、ボレー、早いサーブに対するブロックリターン、接近戦になった場合などに使用するパンチショットなどスウィングがあまりできない場合もあります。この場合にはラケットの遠心力がほとんどないため、やはりラケットのもともとの性能を活かしてラケット面の中央を使う必要があります。
スウィートスポットで捉えるために意識を変える方法
これからご説明することは、冒頭の写真の赤いゾーンでミートしようと意識している方へのアドバイスです。これからご説明することを意識すると格段に返球率が上がりますので、ぜひ試してみてください。
まず、一番上の画像のように赤いエリアに当てようとして練習するのをやめましょう。下の画像のようにボールを当てる場所を明確にイメージしましょう。具体的には、ガットの1マスです。これにより手の平からの距離が鮮明になり中心を外す確率が格段に減ります。
便利アイテム
上記の画像の1マスをマジックでマーキングしてもいいのですが、それはちょっとかっこ悪いと思う人のために、一つ便利アイテムを紹介します。以下の画像は上記画像のスウィートスポット付近を拡大したものです。ガットとガットの交点に「バボラ エラストクロス」という商品が挟まっています。ここに当てるぞ!という意識付けに使用しています。
この商品の本来の使用方法は、ガットが切れそうなところに挟んでガットの寿命を長くするために使用します。また、試合前にガットを張り替えたのに少し緩いと感じた場合にたくさん挟めば試合の当日でも少しガットのテンションを上げる効果もあります。バックに一つ入れておくことをおすすめします。
現在、レットは製造していないので写真のベージュ一択です。本当はレッドの方が目立っていいのですが残念です。価格は、為替にもよりますが、1100円〜1350円くらいで、150粒くらい入っていますので週末プレーヤーであれば1年以上はもつでしょう。
また、他の類似商品もありますが、この形が一番ガットのテンションを上げる効果が高く、見た目がスッキリしえていてると思います。インパクト時の衝撃で時々取れてしまうのが欠点ですが、他の類似商品も同じくらいの脱落率なのでこの商品をおすすめします。
ステップアップ
便利アイテムの段落の一番最初の画像では、二箇所に意識付けのためのチップを付けています。これは左側の1マスがラケットの中心、右側の1マスが冒頭の補足でお話したスピンが掛かりやすい場所です。中心を外してもスウィートスポットほどではないですが、しっかりボールが伸びて、スウィートエリアよりスピンが掛かりやすいので上級者がよくストロークで使用しているエリアです。
下の画像のようにネットより低い高さのボールを打って、相手のコートに収めるためには、ボールの飛びを抑えて回転を強くかける必要があります。そのため上級者(特に男子プレーヤー)はスピンのかかる少し先のエリアを使います。
このエリアは、正確にイメージできないとエリアが小さいのですぐにガシャる(フレームショットのこと)ことになります。そこで、上級者は、ラケット面の中心より少し上の1マスと手からの距離を正確にイメージできるようにしましょう、
初めてのバナナショット(スネーク?カーブショット?)
プロの試合では、相手がネットプレーに出てきたタイミングでサイドスピンをかけてカーブさせてストレートにパスを抜くシーンを良く見ます。
一般のプレーヤーでも、このエリアに当てて、かつラケットをインサイド・アウトに降り出すと同じ軌道のボールが打てるようになります。しかし、シングルスの場合、正確にプレースメントするのは難易度が高いです。
体の構造上それほど難しいショットではないので、まずはダブルスなどでお試し下さい。一般のプレーヤーでもダブルスでバウンドの低いボールをカーブさせて相手のボレーヤーに返球すればミスヒットが誘えます。
練習方法
少し脱線しましたが、本来のテーマのスウィートスポットで打つ方法について、どのように練習すればいいか説明します。
まず、練習の種類として、多少ラケットのスウィートスポットを外してもしっかり振り切って、スウィングを作る練習と、正確にラケットのスウィートスポットに当てる練習があります。この2つの意識を分けて練習してください。
その中で、スウィートスポットで打つ必要がある練習をいくつか紹介します。どの練習も始める前にグリップをしっかり握った状態でラケット面の中のボールを当てたい1マスをじっと見て手の平からの距離感を頭に入れておきましょう。
集中力の高い人なら1回づつは短時間でもいいので、トータル練習時間2時間くらいで効果が現れます。この意識は単純なことですが、意識しなけらばレベルアップが遅くなります。
- Step1: ロングのボレー vs ボレー(サービスラインより50cmくらい内側のポジション同士)
- Step2: ショートのボレー vs ボレー(サービスボックスの中央付近のポジション同士、お互いにフラット気味に打ち合って高速のボレー戦になるようにしましょう。)
- Step2: ロブ対スマッシュ(半面同士。一通りのショットを覚えた人は、ストローク練習の時間を少し削ってでも練習メニューに加えましょう。)
- Step3: 1stサーブ vs ブロックリターン (サーバー側が、ベースラインより2m以上内側から打つパターンはおすすめです)
- Step3: ストロークのチャンスボール(ネットの高さより高いバウンドのチャンスボール)を打つ練習(スウィングを作りながらラケット面のスウィートスポットで捉えることが重要。なぜなら、いくら良いスウィングでも、ボールが飛ばないエリアで打てばポイントが取れないから。またそのことでもっと早くスウィングしようとして力みが出ると悪循環に陥ります。)
コーチング
練習方法の段落で説明しましたが、練習にはスウィングを作る練習とミート感覚の練習があります。
では、初心者にはどちらから教えたらいいでしょうか?まずはミートすることです。最初からすべてスウィートスポットで当てることは無理ですが、ラケットの長さを頭に入れてもらうことからスタートしまよう。
スウィングを教える前の段階で、自分でボールをついたり、簡単なショートラリーなどからはじめましょう。
注意!
ステップアップしてきた人で、ミートすればボールが返球できることをいいことにスウィングを作らない人がいます。
これを放置すると伸び悩んだり、バーンアウトする人が多くなります。
補足:
ジュニアの場合は、握力がないので(特に低学年ジュニア)スウィングで飛ばすしかありません。ラケット面にボールが当たるようになったら、できるだけ早い段階でスイングプレーンのきれいなスウィングを教えましょう。